就職や転職などの面接を成功させたいけど、どうすればいいのか分からないとお悩みの方も多いでしょう。面接では、話す内容はもちろんですが、話し方も相手への印象を左右する重要なポイントとなります。
今回は、面接で熱意を伝え、好印象を与える話し方のコツと、面接で自信が伝わる話し方のテクニックをご紹介します。
目次
1.面接の話し方のよくある悩み
2. 面接官に好印象を与える伝わりやすい話し方のコツ10選
3. 面接前の「事前準備」と「自己分析」が成功のカギ
4.「変化球」の質問への備え方
5. 面接で自信のある話し方をするテクニック
6. まとめ
1. 面接の話し方のよくある悩み
就職や転職などの面接においては、次のようなお悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか。
- 印象を良くしたい
- 緊張して自信のない話し方になってしまう
- 面接官に言いたいことや熱意が伝わらない
- 論理的な話し方ができない
面接ではできるだけ印象を良くして、「この人は好感が持てる人だな」と思ってもらいたいと考えることでしょう。しかし、自信なさげに見えてしまったり、言いたいことや熱意が伝わらなかったりして、どうすれば印象を良くできるか悩んでいませんか。
また、面接ではわかりやすい話し方が求められますが、面接になると論理的な話し方ができないという人もいます。
これらのお悩みは、多かれ少なかれ、多くの方がお持ちではないでしょうか。
2.面接官に好印象を与える伝わりやすい話し方のコツ10選
面接に関するお悩みは、さまざまなアプローチで解消していくことができます。そこで面接官に好印象を与え、伝わりやすい話し方のコツとして、ここでは重要なものを10個ご紹介します。
1.結論から話す
就職や転職などの面接では、時間が限られている中で、できるだけ面接官に簡潔にわかりやすく話を伝えるために、どれだけロジカルに話せるかがポイントです。ロジカルに話す大基本として、「結論から話す」があります。
志望動機や職務経歴などを長く話すときには、冒頭でまずはっきり簡潔に、結論を言います。一言で短く、できるだけインパクトのある言葉を使いましょう。
その後で、結論に至った理由を述べます。まず「理由は3つ、○○と◇◇と△△です」などと概要を話した上で詳細を話します。そして最後にもう一度結論を述べるのが一般的にロジカルな話し方といわれる話し方です。
2.ゆっくり話す
早口だと面接官が聞き取りにくく、また落ち着きのない印象を与えてしまいます。緊張すると特に早口になる人が多いため、ゆっくり話すことを意識しましょう。
もともと話すスピードが早い人もいるため、一度自分の話す声を録音してみると、自分のクセを知ることができ、直しやすくなります。
3.大きな声でハキハキと話す
小さい声でボソボソと話すと面接官が聞き取りにくく、暗い印象を与えてしまいます。大きな声でハキハキと話すように意識しましょう。また自信があるように聞こえるのもメリットです。
4.語尾は気持ち短めに
語尾は短めにするのを意識しましょう。長くすると子供っぽく聞こえてしまいます。先ほどのハキハキ話すことにも通じますが、短く切ることで印象も良くなります。
5.抑揚をつける
抑揚をつけることを意識すると、あなたの熱意が面接官に伝わりやすくなります。抑揚のある話し方の反対は、棒読みです。棒読みだと感情が伝わりにくくなるため、どのような思いがこもっているかを伝えるのに支障が出てしまいます。
営業や接客といったお客様へ応対する仕事の面接の場合、特に話し方が審査項目となるでしょう。そのような職業の場合は、相手に好印象を与えるよう、抑揚をつけて話すことを深く学んでみるのもおすすめです。
6.ペーシング
ペーシングとは、話の波長を合わせるテクニックです。ゆっくり話す相手にはゆっくり、うなずく相手には、こちらも同じペースでうなずくなどして相手に合わせながら会話をします。
ペースが合わないと、相手は違和感やストレスを感じやすくなるため、面接では印象に影響が出てしまう恐れがあります。面接官の相槌のペースに合わせてしゃべるなどしましょう。
7.面接官の話には適切に相槌を打つ
相槌は無言で打ったり、「はい」「そうですね」などの同意の言葉で打つ方法があります。無言で打つ場合は、面接官の話を聞くときであり、話をさえぎらないように注意しながら、適切なときにうなずきましょう。
また、同意を示しながら相槌を打つときも適切なときに入れることを意識しましょう。大事なのは面接官の話のペースを乱さないよう、適切なタイミングで相槌を打つことです。
8.面接官の目を見て話す
面接中は、面接官の目をしっかりと見ながら話しましょう。目を合わせないと、「自信がないのかな」「嘘をついているのではないか」などと思われてしまう恐れがあります。ただし、凝視し続けるのは相手にとってストレスになるため、適宜目線を他に向けるなどしましょう。
9.一人称は「わたし」もしくは「わたくし」
面接時の一人称は男女ともに「わたし」もしくは「わたくし」が適切です。「ぼく」や「あたし」などは幼稚に聞こえることがあります。
「わたくし」はよりフォーマルなときに使います。面接の場はフォーマルであることが多いため、「わたくし」がおすすめですが、普段使い慣れていない人は、緊張対策として「わたし」にしても問題ありません。
10.「えっと」「あの」などを入れない
「えっと」「あの」「えー」などをはさむクセがある人は、面接のときは特に避けるように注意したいものです。「えっと」や「あの」は自信がないように聞こえてしまいます。
クセになっていたり、緊張すると出てしまったりすることが多いと思いますので、面接の練習をして克服しましょう。
また、質問の答えを考える際に「えっと」が咄嗟に出てしまう場合は、相手の投げかけた質問を繰り返すと良いでしょう。例えば「あなたの長所は何ですか?」と聞かれたら、「わたくしの長所は、」と言うことで、「えっと」「あの」を回避できます。
3.面接前の「事前準備」と「自己分析」が成功のカギ
●自分の経験・強みをまとめる自己分析
まず大切なのは、自己分析を通じて「私にはどんな強みがあるのか」「これまでどんな経験を積んできたのか」を明確にすることです。たとえ新卒の方であっても、アルバイトや学生時代の活動を「キャリア形成の基盤」としてアピールできますし、転職希望の場合は前職での取り組みや成果が採用担当者の評価ポイントになり内定に繋がります。
ここで整理した内容は、面接での回答例や後で使うエピソードにもなるため、過去から現在に至るまで具体的な数字や成功・失敗の理由を確認しながらまとめましょう。ES(エントリーシート)や職務経歴書に書いたことを改めて振り返り、自分なりの言葉で説明できるようにするのがポイントです。
●企業研究と志望動機の再チェック
面接では「なぜその企業に入社したいのか」という志望の気持ちを聞き出されることが多いため、企業研究や業界研究を事前にしっかり行っておきましょう。企業の公式サイトや、関連ニュースなどを読むと、事業方針やビジネス上の課題が見えてきます。そこから「私の強みをどう使って貢献できるか」「入社後にどのようなキャリアを描くか」をイメージし、具体的なアピール策を固めておくと、面接時にスムーズに話せます。
また、志望動機の中には「経験を活かす」「新しい分野に挑戦する」といった要素が含まれることも多いです。話し方を工夫しつつ、“企業が知りたい点”を的確に伝えるよう心がけましょう。
4.「変化球」の質問への備え方
面接が上手くいく話し方のコツをマスターしていても、選考途中では「変化球」のような質問をされる場合があります。たとえば「あなたを動物に例えるなら?」「最近気になったニュースは?」といった一見関係のなさそうな話題や、志望動機の深堀りなどがその代表例です。こうした質問で大切なのは、面接官や採用担当者が「その人の思考プロセス」や「物事への姿勢」を知りたいという意図を持っていると理解すること。回答の型を決めておくことも良いですが、それ以上に「私自身が何を考え、どんな経験や価値観から導き出した結論なのか」をしっかり伝える姿勢が重要です。
●質問の「意図」を考えたうえで回答を組み立てる
予想外の質問を聞き、即答しづらい場合でも、焦らずに面接官の意図を推測してみましょう。たとえば「最近気になったニュースは?」と問われたなら、「世の中で何にアンテナを張っているか」「そこからどんな学びを得ているか」をアピールするチャンスです。あらかじめ世間や業界の動向を把握しておくと、“自分なりの視点”を付け加えて話せるでしょう。
●「私の考え」を交えつつ、面接官の興味を引く
変化球の質問に対しても、単に「○○だと思います」と言って終わりにせず、「なぜなら~」と理由や背景を一言でも付け加えると説得力が増します。面接ではES(エントリーシート)にない経験談などを出して、志望企業に入社した後の具体的なビジョンや貢献イメージをアピールすると、評価を得やすくなるでしょう。最終的には、「採用後にどんな働きをしてくれそうか」を面接官がイメージできるかがポイントです。
●STARフレームワークを活用して論理的に伝える
さらに、ビジネスシーンでよく用いられる「STARフレームワーク」(Situation/Task/Action/Result)を使うと、経験を整理して話せます。たとえば「前職(あるいは学生時代)でチームをまとめた経験」などを問われた際に、Situation(状況)から順に説明することで、面接官に一貫性のあるストーリーを届けられるはずです。
1) Situation:どんな状況だったのか
2) Task:自分にはどのような課題や役割があったのか
3) Action:その課題に対して何をしたか
4) Result:どのような成果・学びを得たか
たとえ深掘り質問が飛んできても、この流れで回答を構成すれば、論理的かつ相手に伝わりやすい説明になるでしょう。
●柔軟性とマナーをあわせ持った印象づくり
こうした変化球質問や深掘り質問は、面接官が「柔軟な発想力」「予想外の場面でも冷静に対応できるか」といった点もチェックしている可能性があります。そのため、話し方のテクニックとあわせて、言葉づかいや相槌の使い方を含む基本的なマナーも見直しておきましょう。特に学生や新卒の方はもちろん、転職やキャリアチェンジを目指す方でも、ここで培った対応力は長期的に活かせるはずです。
5.面接で自信のある話し方をするテクニック
特に面接のときに緊張して自信がなさそうに見えてしまうのが心配という人に向け、自信がなさそうに見えてしまう理由と対策をご紹介します。
●「自信がなさそうに」に見えてしまう理由
自信がないように見えてしまう理由として、主に次の3つのクセが考えられます。
・口調のクセ
早口でしゃべる、モゴモゴ言う、「えっと」「あの」「えー」などの無駄な言葉をはさむなど
・視線のクセ
目線が泳ぐ、まばたきが多い、下ばかり見るなど
・姿勢のクセ(椅子に座る場合)
脚を小刻みに動かす、ベルトや時計などを触る、指を触ったり動かしたりする、髪の毛を頻繁に触るなど
●自信のある話し方のテクニック
これらのクセを、自信のある話し方とパフォーマンスに変えていきましょう。
・口調
先にも述べた通り、口調はゆっくり、はっきり一音一音丁寧に、口をしっかり開けて大きな声で話しましょう。また「えっと」などの言葉が入らないように、質問を繰り返すなどして対策を。
・目線
目線の基本は、面接官の目をしっかりと見ること。凝視を避けるため、5秒に1回はそらすと良いでしょう。面接官が複数人いる場合は、ゆっくりと順番に目を合わせていくと好印象を与えます。
・姿勢(椅子に座る場合)
座り姿勢の基本は、浅く腰掛け、背もたれにもたれかからないようにして、背筋を伸ばすこと。またあごを引いて目線はまっすぐにしましょう。手は軽くにぎりこぶしをつくって膝の上に置きます。
脚や指を小刻みに動かしたり、何かを触ったりしないように注意を。
●自信をつけるための練習方法
上記のようなテクニックは、意識してすぐにできるものとそうでないものがあるでしょう。クセを正すには練習あるのみです。
おすすめなのは、ビデオに録って自分の話し方やクセを見てみることです。緊張したときのクセはなかなか自分では気づきにくいため、ビデオに撮って客観的に見るとよくわかります。
また面接はスピーチなどと異なり、面接官からの質問への受け答えの練習が必要になるため、家族や友人など誰かに協力してもらい、本番に見立てて練習するのもおすすめです。
面接で想定される質問は、あらかじめベストと思う答えを用意しておき、話せるようにしておきましょう。
6.まとめ
面接の話し方テクニックをご紹介しました。面接は自分の将来を決める重要な機会です。話す内容はもちろん、話し方もしっかりと練習を重ねて、自信を持って本番に臨みましょう。そうすれば、きっと自信が自然とにじみ出るはずです。
KEE’Sでは、面接の話し方を学べる講座をご用意しております。
就活生の方は、就職活動成功のための最強メソッドを習得できる4回のレッスンを行う就活コース「100%就活成功塾!」がおすすめです。プロによる話し方や聞き方、立ち居振る舞いの指導をご提供いたします。
また「6時間ベーシックSPEECHコース」は、「人前で緊張する」「会話が続かない」といった方におすすめです。
カメラ考査でプレゼン時のクセをチェックし、どう改善すれば良いかなどのアドバイスを行っています。面接の話し方改善にも役立ちます。無料体験も行っていますので、ぜひご検討ください。