話し方教室　KEE’S　第三者をほめる

今回お伝えするのは、本当は性格が悪いわけではないのにそうだと誤解されがちな方、また、雰囲気を良くしようとして仕事相手をほめようとしても、わざとらしくなったり、ぎこちなくなってしまったり、否定されてその後会話が続かない方におすすめのテクニック。

　それは第三者をほめること。

「ほめるんだったら、相手を直接ほめないと意味がないのでは？」と思う方、それは違います！第三者をほめると、ほめる方もほめられる方も照れくささを感じず、純粋に喜ぶことができるのです。

ビジネスの場でいうと、第三者とは「相手の会社」「社風」「社員」「社長」など、会社に関するものになります。

想像してみてください。あなたは先方の会社を訪問し、担当者に会いました。名刺交換を終えての第一声。何をほめますか？いきなり初対面の相手の何かについてほめるのは上級テクニック。でも、会社をほめるとするとどうでしょうか？その場に来るまでに、あなたは駅からその会社のある場所まで歩き、受付を通って会社の中に入ったはずです。それまでに何を見ましたか？

例えば、表参道のおしゃれな店が立ち並ぶ通りを歩いてきたかもしれません。地下鉄の駅から地下通路でつながり、徒歩わずか1分で着けたかもしれません。すると、自然にほめたくなる言葉が浮かんでくるはずです。

「良いところを探す目」で見ていくと、担当者に会うそのときまでに見て感じたことすべてが「ほめポイント」となり得るのです。

自分の会社に関してほめてもらってうれしくない人はいないもの。その会社に勤めている人たちにとっては当たり前すぎて意外と気づいていない点もたくさんあります。新たな魅力の発見につながるかもしれません。たとえ「ほめポイント」が相手にとってピンと来ないものであったとしても、あなたが相手の会社の良いところを探そうとしたという姿勢は必ず伝わります。

お互いを尊重しあって信頼関係を築くために役立つテクニック、それが「第三者をほめる」です。ぜひ試してみてくださいね。

ＫＥＥ’Ｓ代表　エグゼクティブスピーチトレーナー　野村絵理奈