女性の社会進出が進み、ビジネスシーンでは会議やスピーチ、プレゼン、部下への指示、交渉など話し方のスキルを要する機会が増えています。そのような中、女性のビジネスパーソンからは、話す際に「軽く見られてしまう」「感情的と思われてしまう」「説得力に欠ける」などのお悩みや相談をよく受けます。
しかしどのようなお悩みでも「プロの話し方の技術」を取り入れることで、信頼される話し方を実現することができます。今回は、その技術を女性向けにご紹介しますので、ぜひ取り入れて自信に変えてください。
目次
1. 信頼感と説得力を高める!女性のためのプロの「声の出し方」とトーン調整
2. 「感情的」と誤解されない話し方:会議等で役立つ話速(スピード)と間のコントロール術
3. 信頼関係の構築へ向けて!ここで差がつく「聞く姿勢と質問力」
4. 人前で自信をもって話す!緊張を和らげ「堂々とした印象」を作る立ち居振る舞い
5. まとめ:プロと二人三脚で次の一歩へ
信頼感と説得力を高める!女性のためのプロの「声の出し方」とトーン調整
女性の話し方の悩みでよく聞くのが、声色です。女性の声は男性と比べて高く、伝わり方が弱かったり、軽く感じられたりすることがあるようです。
そこで声のトーンをコントロールする具体的な方法や、滑舌を改善する方法をご紹介します。
声のトーンをコントロールする方法
声のトーンは、印象を左右します。場面に応じて使い分けましょう。
高い声:明るさや若々しい印象を与えます。相手の注意を引きつける効果もあります。重要なポイントを示すときにトーンを上げると良いでしょう。
低い声:落ち着きや信頼感のある印象を与えます。真剣さや説得力が必要なシーンでは声をワントーン下げて落ち着きのある声を目指しましょう。
• 好印象を与える声「ソ」のトーン
人前で話すスピーチやプレゼンなどの際には「ドレミファソ」の「ソ」のトーンで話しましょう。いわゆる改まった声となり、より明るく快活な印象を与えてくれます。実践してみると想像よりも音が高いので、キープするのがむずかしく感じられるかもしれません。そのため、腹式呼吸でお腹に力を入れるのがポイントです。
発音をクリアにする方法
発音はできるだけクリアにするのも大切です。日本語の50音のうち、こもりがちで発声がむずかしい音もありますが、はっきり発音できるようになると洗練された印象になります。
特に「あいうえお」は曖昧になりがちなので、口の開け方をしっかりと区別して、聞き返されることがないようにしましょう。
滑舌を改善する方法
滑舌が良くないとどうしても印象が下がってしまいます。聞き手の集中力が途絶えてしまう恐れもあります。
滑舌が良くない原因は口の開閉が不十分、呼吸のリズムの乱れ、歯並びやかみ合わせなどさまざまです。
改善策として、「ゆっくり話す」「一つ一つの音をしっかり発音する」「安定した呼吸を意識する」などを実践してみてください。
ただし、女性の中でも比較的低い、深みのある声をお持ちの方もいます。そのため、これらの声のトーンや出し方についてはあくまで一般論となりますので、個人個人に合ったトレーニングが望ましいでしょう。自身の声を真摯にコントロールしたい場合は、プロに個別指導を受けるのがベストです。
「感情的」と誤解されない話し方:会議等で役立つ話速(スピード)と間のコントロール術
女性が話していると「感情的」に見られるというお悩みもよく聞きます。そこで感情の起伏とは無関係に、冷静さや自信を演出する最適な話速(スピード)を意識するトレーニングを行いましょう。また重要な箇所で意識的に「間(ま)」を取るテクニックもご紹介します。
ビジネスに最適な話し方のスピード「話速」とは?
ビジネスシーンで話す際に、最適な速度はどのくらいなのか、迷うところもあるのではないでしょうか。私は一定のスピードではなく「緩急」をつけるのをおすすめしています。
例えば、テンポよくやや速めに話している途中で、重要なポイントにきたら、スピードを落としてゆっくり話すようにすると、メリハリが効いて聞き手の注意を引きます。
抑揚の付け方
緩急と共に、意識するべきなのが「抑揚」です。つまり音の高低、アップダウンを指します。例えば強調したい単語がきたら、かなり高く発音する、またはかなり低く発音して、抑揚をわかりやすく付けてみてください。
例えば「つまり、○○ということなんです」と強調したいとき、「○○」の音の高さを高く、または低くするのです。これにより、聞き手の注意を引き付け、強い印象を残せるでしょう。
このように緩急と抑揚を駆使して、ジェットコースターのように話すのをおすすめしています。思っている以上に相手の注意を引きつけられますし、長い話を一本調子で話すのと比べて、聞き手に飽きられてしまうのを予防できます。
「間」の取り方
話すスピードに関連して、「間」をとる技術も押さえておきましょう。例えば、何かの賞の発表の際に、プレゼンターが「最優秀賞は……(間)、○○さんです!」と、少し間を入れますよね。聞き手としてはかなり引きつけられるものです。
これはスピーチやプレゼンなどでも取り入れることができます。
間には「理解の間」と「引きつけの間」の2種類があります。
理解の間:センテンスとセンテンスの間にとり、聞き手の頭の中の整理・理解を促す。3秒ほどが目安。
引きつけの間:センテンスの中で、聞き手の注意や興味関心をあおりたい大事な言葉の前に取る間。1~2秒が目安。
理解の間は聞き手に話を理解してもらうことができ、引きつけの間は聞き手をドキドキワクワクさせます。
信頼関係の構築へ向けて!ここで差がつく「聞く姿勢と質問力」
ビジネスシーンでは、打ち合わせや交渉、面談など、1対1で会話をするシーンも多くあります。そこで1対1で話すときに、相手の話を引き出し、信頼関係を構築するテクニックをご紹介します。
プロの「聞く姿勢」
話し方のプロは、聞く姿勢もプロです。うなずきや目線を効果的に用いることで、相手と気持ちよく会話ができます。
• うなずきのポイント
相手の話を聞きながらうなずくことは、多くの方が実践していることでしょう。プロはそこへ「ペーシング」の技術を取り入れています。ペーシングとは、話し方の波長を相手に合わせるテクニックです。その一つが、相手の話し方のスピードに合わせてうなずきや相槌を入れること。相手がゆっくり話しているのに、「はい、はい」など速すぎるうなずきと相槌をしてしまうと、相手を焦らせてしまうでしょう。コツは相手の話しているスピードや感情など、波長に合わせながらうなずきと相槌を入れることです。
• 目線の使い方
いくら話の内容が論理的で優れていても、目線が泳いでいると説得力に欠けてしまいます。実は目線は話の内容以上に、聞き手の心に入り込んで話し手の気持ちを伝えるのです。
目線は移動させすぎると落ち着きがないように見えてしまうため、1対1の会話のときは相手の目を見つめるのが基本です。ただし、じーっと見続けると圧迫感を与えてしまうので、少しずつ目線をずらすことがポイントです。例えば、相手の目を見た後は、眉間や口元、肩、手元などへ自然に目線を動かすと良いでしょう。
質問の組み立て方
話上手の人は、質問をうまく使って、相手から有効な話を引き出します。相手がどんどん話したくなってくるのです。
質問は、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを戦略的に使い分けましょう。
• オープンクエスチョン:「はい・いいえ」など選択肢がなく、自由に考えて回答できる質問。
• クローズドクエスチョン:「はい・いいえ」で答えられる質問。
相手との話をできるだけ長く続けたいときや、相手に率先して話してもらいたいときに、クローズドクエスチョンばかり投げかけると話がすぐに終わってしまう恐れがあります。
そんなときはオープンクエスチョンで「なぜ、どうして、いつ、どこで、どのように」を使った質問をしましょう。また相手の興味関心を引くような質問を投げかけたり、返答から主要なキーワードを抽出し、それを用いて質問を投げかけるのもおすすめです。これにより、気持ち良く会話が続くでしょう。相手との良好な関係作りにおすすめです。
人前で自信をもって話す!緊張を和らげ「堂々とした印象」を作る立ち居振る舞い
女性に限らないことですが、スピーチやプレゼンなど人前で話すときに緊張して声や身体が震えてしまう、頭が真っ白になり練習のようなパフォーマンスを発揮できなかったりというお悩みもよく聞きます。
そこで自信を持って話せる緊張コントロール方法と、堂々とした印象を与える立ち居振る舞い方をご紹介します。
ビジネスシーンにおける緊張コントロール方法
プロでも緊張はします。大切なのは「つまずいても、転ばないこと」です。つまり、緊張して少し失敗してしまっても、スピーチが中断してしまうなどの大事故を避けられればOKなのです。
大事故につながるような過度な緊張を避けるには、普段から自己肯定感を上げるために自分に対してポジティブな言葉をかける自己対話が有効です。
また、十分な準備と練習をすることで自信を持って本番に取り組めます。
そして、小さな成功を積み重ねることも自信をつけるのに有効です。少人数の前で話すことから始め、うまくいったら達成感を味わいましょう。そうすることで自信がつき、徐々にステップアップしていけます。
最も有効なのは、過去の失敗を成功体験で上書きすることです。おすすめなのは、話し方教室に通って、講師や他の生徒の前で話す練習をすることです。講師による指導でスキルアップできるので、より一層、成功に近づきます。その成功体験は「話す」ことに対する自信となり、緊張対策につながるでしょう。
「堂々とした印象」を与える立ち居振る舞い
緊張すると、どうしても動作が散漫になり、姿勢も乱れがちです。壁に背中を当てて立っているようなイメージで、壁に対して背中が平行になるように姿勢を真っ直ぐに保つと、自然と堂々とした印象になります。
また姿勢が整うと呼吸もしやすくなり、余裕を持って話すことができるようになります。
髪の毛を触るなどは避け、腕はパンツやスカートの横に置きましょう。
ただし、所作の良し悪しについては、自分ではなかなか気付けないものです。話し方教室でプロによる個別指導を受けるのもおすすめです。自分では気づけなかった思わぬ癖が見つかるかもしれません。
まとめ:プロと二人三脚で次の一歩へ
女性の話し方にまつわるお悩みを解決するためのノウハウをご紹介しました。一人でトレーニングすることも大切ですが、声や姿勢などの癖の矯正には、プロによる客観的な指導を受ける機会を持つのもおすすめです。
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