売れる営業マンは話し下手でいいのか?
最近、某有名企業の営業トップの方が「売れる営業マン」をテーマにメディアでお話されていました。やはり生産性の高いと言われる有名企業の営業の方だけあるなあ、とその営業マインドやしっかりと体系化された営業理論に納得させられました。
ただ、講演の中で1点気になる部分がありました。
それは「売れる営業マンは話し下手でいい」という点です。
その方が引用されていたのが、メラビアンの法則という、最近耳にすることがめっきり少なくなった法則なのですが、少し前に、「人の印象を決定づけるものは視覚的要素」である説を裏付けるための法則として営業研修などでよく引用されたものです。
メラビアンの法則を引用して、営業マンの印象がどのように相手に伝わるのか?を説明すると、おそらく、この方のおっしゃる通り「視覚的要素が大きいので、提案資料がしっかりしていれば、聴覚的要素である話し方や言語は劣っていてもいい」という事になるのでしょう。
メラビアンの法則は別名、「7-38-55ルール」とも呼ばれています。この法則を生み出したアルバート・メラビアンは、人はコミュニケーション上、言語・聴覚・視覚の3つの情報から相手を判断しているとしました。
その割合が
言語:7%
聴覚:38%
視覚:55%
なので、「7-38-55ルール」です。
この割合を見て、どう感じますでしょうか?先ほどの営業トップの方のお話のように「言語情報は割合として少ない」と感じる方もいれば、「38%+7%なので、けっこう多いじゃないか」と取られる方も多いと思います。
もちろん、KEE’Sで教えているアナウンサーメソッドは、視覚、聴覚、言語すべてのスキルを向上させるので、話し方=聴覚情報のみとはとらえていません。
また、ある一定以上の企業の営業ともなると、ほぼ100%の情報スキルを使いこなしてくる人も少なくありません。言い換えれば他社の営業と100点を争う競争になることも多いのです。
提案書であれば、その会社で優秀な資料が一つ共通でもっていればいいですが、話し方となるとそういうわけにはいきません。
いかに、一人一人が勉強し、スキルを磨いて説明力を武器にしているか?が問われます。
意識的にトレーニングして習得した「話し方」というビジネススキルが、営業シーンにおいて重要な要素になるのです。
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話し方でビジネスの成果に差がつく
話し方教室を経営している私からすると、その「残りの38%+7%」で差がつくんです!!
と、大変失礼ながら言わせて頂きたいです。
例えば、すごく良い提案書を持ってきても、その方の説明が「え~~、あの~~、えっと~」を連発していたらどうでしょうか。
内心「この資料、本当にこの担当が作ったのか??」と心配になりませんでしょうか。
言い換えれば、話し方が悪いと、優秀な提案書まで信頼されない結果になりかねません。
また、メラビアンの法則で言う、視覚聴覚言語の情報を受け取る側のセンサーも、そんなに雑には作られていないんです。
100%から聴覚と言語を差し引いた55%の視覚情報のみで、「OK合格!」となるほど、売られる側も単純には反応しません。
大事なのでもう一度言います。
話し方を鍛えることは、相手に与える印象を100%良いものにしよう、つまり55点で合格を狙うより、100点に近づけていこうという考え方です。
そこには、相手の感情を理解して、声のトーンや、話のテンポを変えたり、論理的に分かりやすく言葉を並べる技術も含まれています。
セールスの現場では、説得力あるコミュニケーションが求められるため、視覚、聴覚、言語の全ての要素をバランスよく改善することが鍵となるのです。
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話し方がビジネスマンに役立つ理由
私のコラムを読んで下さっているということは、おそらく、話し方が、なんらかの理由で「ちょっと役に立ちそう」という予感がしている、もしくは、「習っておけば、何かの役に立つかもしれない」と思い始めているのではないでしょうか?
その直感、100%正しいです!
話し方教室に通って頂きたいという下心も多少ありますが、本心から伝えたいです。
その直感を信じて、突き進んで下さい!
そもそも他にも、「話し方がビジネスマンに役立つ理由」はいくらでもあります。
人前で話す際のあがり症があるなら、克服することで自信を持ってプレゼンや発表ができるようになります。また、商談、セミナー、初対面でのアイスブレイク、面接などシーンに合わせた話し方を身につけることも可能です。そのほか、上司への報告、顧客への説明など、
商談やプレゼン、会議での発言、上司への報告、部下とのコミュニケーションなどなど。
話し方を変えるだけで、これまでの仕事の生産性が上がる場面が、簡単に上げるだけでもこれだけあります。
先ほどの例でもあるように「話し方」というと、どうしても表面的にとらえられている部分があって、誤解されているなあと感じることも多いです。
話し方とは、良い声で良い発音でハキハキ話すことだけを指すのではありません。
実際、アナウンサーは、人が書いた原稿を、ただ上手に話しているだけの職業と思われている事が多いですが、そんなはずはありません。
情報番組などは、毎日お昼の時間帯に3時間の生放送だったりしますが、全て原稿があったとしたら、超人的な記憶力の持ち主しかアナウンサーになれません。
アナウンサーは自分のコメントは自分で考えますし、ゲストへのインタビューは、ビジネスの商談と同じように相手のことを徹底リサーチして、知りたいことを引き出しています。
まさに話す、聴くことをプロとしてやっている職業です。
そして、重要なのは、番組にはテーマ、つまり「目的」があるというところです。
私たちは「目的」を引き出すために、「話す」という技術を使う、話し方のプロなのです。
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アナウンサーが「話し方」のプロだとすると、我々が提供する「話し方の技術」とは、自分の伝えたい気持ち、感想、考えを的確に言葉にして、印象よく伝える技術であると同時に、お客様、それぞれに違う「目的」を叶えるお手伝いをすることです。
私であれば、経営者や政治家の方のスピーチコンサルが多いのですが、その方の経験や知識、考え方、もっと言えばこの世にうまれた使命みたいなものを、言葉にして、世の中に出すお手伝いをさせていただいています。
話し方という技術には、それだけ大きな力があり、私たちには、その責任があるとも思っています。
そもそも、私が話し方の持つ力を知ったのは、大学生の頃で、自分自身の人生を大きく変えていくきっかけとなりました。
話し方の技術が持つ力については、またゆっくりお話することにします!
とにかく、「話し方に自己投資した分は、その十倍以上は自分に返ってくる」と言っても過言ではありません。
なぜなら、話し方を変えることは、相手にうつる自分の印象、コミュニケーション、人間関係の全てを変えてくれる最強の自分磨きだからです。
今、自分に自信がなくて全く問題ありません!むしろ、そんな方の方が大化けします!
話し方を習う人は、まだまだ少なめ。
ここに目をつけて、早い段階で自己投資することでライバルに差が付けられるだけでなく
自分の考え方や価値観、意見を言葉にして伝えることは、新たな自分の発見にもなり、生き方も豊かになること間違いなしです。
ちなみに、何年も週一で通っていらっしゃる生徒さんも多くいらっしゃって、
発声練習は、カラオケなどにも役立つし、ストレス発散にもなることから、「学ぶ」というより「楽しみ」で通っている方もとても多いです。
もちろん、その方々のスピーチやプレゼンのうまさは言うまでもありません。
どんなきっかけ、モチベーションであっても、話し方のコラムをここまで読んで下さったあなたは、是非、「話し方の世界」の扉を開けて、一歩を踏み出してみて下さい。
人生が変わっていくことをお約束します。
KEE’Sのレッスンでは、スピーチ・プレゼンはもちろん、コミュニケーションのレッスンも実施しています。
ご興味のあるコースなどありましたら、ぜひお問合せください。無料体験も実施しています。
KEE’S代表 野村絵理奈