前回取り上げた「笑声」について、自宅でもできる練習方法を紹介します。
笑声は、笑顔の口角が上がった状態のまま声を出すと、つくりだすことができます。
アナウンサーは、笑顔が美しいといわれますが、口角をあげて発音したほうがクリアに聞こえ、印象も良いことを知っているからです。
それと共に、目の表情も柔らかくします。目を見開くより、目の周りの力をぬいて、目じりが下がった状態のほうが笑声に合っていて、相乗効果で好印象を得られます。
家で練習する場合は、鏡の前に立って以下の順で笑声をチェックしましょう。
笑声の出し方
- 鏡の前に、体や顔の力を抜いて、姿勢よく立つ
- 口角(口の両端)を「い~」と発音しながら真横に引く
- その状態のまま、口角をくいっと上げ、「え~」と言いながら逆三角(▼)の口を作る
- できるだけ逆三角(▼)の口を維持しつつ(口角を上げたまま)、
「おはようございます」「おつかれさまです」「よろしくおねがいします」と言ってみる
笑声トレーニングが向いている職業
1. コールセンター
● 声だけで勝負する
→ 笑声は「顔が見えなくても笑顔が伝わる」最強のツール。
● クレーム応対が多い
→ 笑声で第一声から相手の怒りをクールダウン。自分自身のストレスも軽減。
● 長時間通話・声枯れリスク
→ 腹式呼吸が習慣化するため喉への負担が減る。
2. 接客業(販売・飲食・ホテルなど)
● 来店時3秒の印象が売上を左右
→ 入店・着席の瞬間に明るい笑声で「歓迎されている感」を演出。
● 顔の表情+声の一致が不可欠
→ 笑声トレーニングは口角や目元の表情も同時に鍛えるため、表情と声がズレない。
● スタッフ間コミュニケーション
→ バックヤードでも笑声が飛び交うと職場の雰囲気が良くなり離職率低下。
3. 営業職(法人/個人)
● 信頼関係の構築・アイスブレイク
→ 実験的に「初対面で笑声を使う営業」は商談成立率が高いとの報告も。
● 断られ続けるストレス
→ 笑いによるメンタル回復力で自己肯定感を保ち、次のアポイントに前向きになれる。
● プレゼン・オンライン商談の増加
→ ウェブ会議では映像が小さく声が主役。笑声は画面越しでもポジティブさを伝播。
笑声トレーニングの方法
いざ笑声を出そうとしても、何だかぎこちなく、難しく感じるかもしれません。
下記のコツを心がけてみてください。
口角をきちんと上に上げる
口角をきちんと上に上げ、逆三角の口を作ること。口輪筋という口の周りの筋肉が衰えると口角を上げるのがむずかしくなります。口角が下がったまま発音すると、声の表情としては『不機嫌』になってしまいますので、きちんとした笑顔が作れ、その口を保ったまま話せるように口輪筋を鍛えることがポイントです。
目の表情も連動させる
目の表情も連動させると自然に好印象を与えることができます。口元だけ笑顔でも、目が笑っていないということになると、うそっぽく見えてしまい、かえって相手に不信感を抱かせてしまいます。
心をこめる
一番大切なのは、心をこめること。いくら声や顔で笑顔を作っても、心がともなわなければ形だけになってしまいます。ビジネスで誰かに会うときには、コミュニケーションを取る相手への好意を心の中で確認した上で、気持ちが伝わる表情や声を使いこなすようにすれば、笑声はビジネスを円滑にする最高のツールになるはずです。
鏡があれば手軽にできる笑声の練習、ぜひ自宅で時間が空いたときに実践してみてください。
エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈