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ビジネスに生かせる優しい話し方の実践方法

「なぜかいつも誤解される」「部下が萎縮してしまい、本音を言ってくれない」といった悩みを抱えている場合、その原因は話す内容ではなく、「話し方」にあるかもしれません。ビジネスの現場では、論理的な正確さやスピードが求められますが、それだけでは人間関係は円滑になりません。どれほど正しい意見でも、伝え方がキツければ、相手は拒絶反応を示し、結果的に成果に繋がりません。優しい話し方とは決してへりくだることではなく、「相手への配慮と尊重を示す、結果を出すためのビジネススキル」なのです。本コラムでは、非言語・言語の両面から「優しい話し方」を構成する要素をご紹介します。

「優しい話し方」を構成する非言語・言語の要素

「優しい話し方」は生まれつきの性格ではなく、技術です。「聴覚」「視覚」「言語」の3つの要素を意識的にコントロールすることで誰でも習得可能です。

聴覚:声とトーンで信頼を築く

聴覚情報は、話す内容以上に感情を伝えています。

●話すスピード

早口は「焦り」「自己中心的」「攻撃性」といったネガティブな印象を与えがちです。普段より1割遅く話すことを意識するだけで、相手に「この人は落ち着いている」「自分の話を聞いてくれている」という安心感を与えることに繋がります。

●トーン(声の高さ)

緊張や興奮で声が高くなると、声が細くなり、説得力や優しさが失われます。意識的にトーンを下げて、腹式呼吸を意識して低い声で安定させることで、包容力と落ち着きのある印象に変わります。

●言葉の語尾

言葉の語尾も、話し全体の印象を左右しています。例えば語尾を「〜だよね?」とトーンを上げて早口で言ってしまうと、問い詰めているようなキツい印象を与えてしまいます。語尾をパッと切り上げるのではなく、静かに下げることで、優しく、落ち着いた印象を演出できるようになります。

視覚:表情と姿勢が伝える「安心感」

非言語コミュニケーションは、優しさの印象を与えるための重要な要素です。

●笑顔

笑顔は、言葉以上に印象を伝える最大の武器です。マスクをしていても、優しい表情は目元に宿ります。眉間にシワを寄せず、口角をわずかに上げる意識を持つだけで、目元が穏やかになり、相手に「この人は話しかけやすい」という安心感を与えられます。

●アイコンタクト

「目は口程に物を言う」ということわざがあるように、目線は重要なポイントです。相手の眉間から口元にかけて、穏やかで包み込むような視線を送り、適度な間隔で視線を外すことで、信頼感と優しさを伝えることができるでしょう。
しかし、相手の目をじっと見つめすぎると威圧感につながってしまったり、視線が泳ぐと不安感につながってしまうため注意しましょう。

●姿勢

腕を組む、体をひねるといった閉鎖的な姿勢は、無意識に拒絶のサインを送っています。体を相手に向け、腕は組まずにリラックスしたオープンな姿勢を取ることが、非言語での優しさを伝える第一歩です。

言語:言葉遣いで相手への尊重を伝える

言葉遣いは、最も直接的に印象が伝わるポイントです。

●命令形の言い換え

命令形(「これをすぐにやれ」「〜すべき」)は、上下関係を明確にし、相手の自主性を奪います。「〇〇してみませんか?」「〜していただけると助かります」といった依頼や提案形に変換することで、相手の尊厳を傷つけずに伝えることができます。

●クッション言葉

否定的な発言や、相手にとって負担となるお願いの場合、ストレートに伝えてしまうとネガティブな印象を与えやすくなってしまいます。「大変恐縮ですが」「差し支えなければ」といった、クッション言葉を挟むことで、受け取りやすい表現になります。

ネガティブ情報を優しく伝える言い方

優しい話し方が真価を発揮するのは、ネガティブな情報を伝える「勝負どころ」です。よくあるビジネスシーンでの伝え方をご紹介します。

反対意見・否定を優しく伝える「イエス・バット法」

反対意見を伝える際、「いや」「でも」と否定から入ると、相手は拒否されたと感じてしまい聞く姿勢を失ってしまいます。そこで共感を徹底し、まずは相手の意見を言語化して受け止めましょう。

例えば「〇〇さんのアイデア、現状の課題解決には非常に有効だと理解できます」と、承認から入ります。その上で、否定の「BUT」を使わず、「特に〇〇という点が素晴らしいですね。さらに△△の視点を加えることで、より盤石なものになると思いませんか?」と、相手を否定しない「発展的な提案」で自分の意見に誘導します。これにより、相手は否定されたと感じず、前向きに検討できるようになるでしょう。

部下や後輩へ「注意・指導」を優しく行う技術

指導の目的は、人格を否定することではなく、行動を改善させることです。受け取りやすい表現で伝えることで、目的達成に近づきます。

●「I(アイ)メッセージ」の活用

伝え方には「Youメッセージ」と「Iメッセージ」の2種類があります。

Youメッセージ:「なぜ、君はいつも報告が遅いんだ!」(人格攻撃と受け取られやすい)
Iメッセージ:「私は、報告が遅れるとプロジェクト全体が停滞しないか心配になる」(自分の感情・期待を伝える)

このように主語を「私」にすることで、相手は詰問されていると感じにくく、冷静に話を聞くことができます。

●「行動」と「人格」の分離

ミスを指摘する際は、「君はだらしない」といった人格を否定する言葉は避けましょう。「今回の資料の提出期限が守られなかった行動について、今後どう改善できるか一緒に話したい」と、改善すべき具体的な行動にフォーカスすることで、聞き手が受け止めやすい伝え方になります。

「断り」を優しく伝える技術

ビジネスではお客様や上司からの依頼に対して、泣く泣く断ることもあるでしょう。断る際も、相手の自尊心を傷つけない配慮をすることで、その後の関係性にも影響を与えることなく断ることができます。

●具体的な理由を添える

依頼内容を否定せず、「自分の状況や優先順位」を丁寧に理由として伝えることで、相手も納得することができます。例えば「大変申し訳ありません。ただいま別件で重要なプロジェクトが重なっており、万全の状態でサポートできる確証がないため、今回は担当を辞退させていただきます」のように、背景を伝えることで、相手も拒否されたのではないと安心することができます。

●代替案と希望を添える

「私では分かりかねるのですが、〇〇さんなら△△に相談すると良い回答がもらえるかもしれません」や、「今は立て込んでいて対応できないのですが、来月以降であれば、私が責任を持って対応させていただきます」など、代替案や未来への希望を添えることで、優しさや配慮が伝わります。

優しい話し方を身につけるトレーニング

「優しい話し方」は、あなたの無意識の習慣を変えることが鍵です。ここでは、客観視と反復練習を重視したトレーニングを紹介します。

話し方を客観視する録音分析トレーニング

自分の話し方を客観視することが話し方を改善する最初の一歩であり、最重要項目です。
普段の電話対応や会議での自分の発言をイメージして、話し方を録音し、自分で聞き直しましょう。「話すペースにムラはないか」「語尾のトーンが上昇していないか」などをチェックしましょう。自分の音源を聞いた上で身近にいる優しい話し方の人のトーンやリズムと比較することで、改善点を自覚し、成長を実感することができます。

咄嗟の時も優しさを忘れない「クッション言葉の口癖化」

意識的に、日常会話で「ありがとう」「恐れ入ります」「助かります」といった感謝や配慮の言葉を挟む訓練を行いましょう。咄嗟の時でも反射的に優しい言葉が出るようにすることで、ネガティブな情報を伝える際も、自然にクッション言葉を挟めるようになります。

まとめ

優しい話し方は、あなたの声・表情・言葉遣いの全てを身につけることで完成します。これにより、人間関係のトラブルを減らし、チームのパフォーマンスを上げるためのビジネススキルとなるのです。しかし、自分の話し方を客観的に分析し、自力で無意識の癖を正すことは非常に困難です。
優しい話し方を身につける最短ルートは、プロの指導のもとで「優しい話し方」を習得することです。話し方教室KEE’Sでは、あなたの声のトーンや非言語の癖をプロが分析し、ビジネスシーンで通用する「優しい話し方」を実践的に習得できます。「自分を変えたい」というあなたの思いを、確かな「技術」に変えましょう。優しい話し方を習得したい方は、ぜひ一度、体験レッスンをご検討ください。

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